花 装
2019年 京橋 72Gallery 写真展





古い記憶。

誰にも見せるつもりなく撮られた写真は
ハードディスクの中で眠っていた。
記憶から消えそうになっていた写真たちは
まぎれもなく現在の自分をつくっているだろう。

私はもういちど記憶たちと向かい合った。
すると それらはまるでよそゆきの顔を持ち
向き合うごとに わたしの確かな一部となり
はじめて記録としての役割をもたせられたように感じた。
その作業は 愛情をかけ記憶を縫い合わせているかのようだった。

花とともに うたかたの記憶。
どうか仕立てのいいドレスとなりますように。
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